荻窪の後輩の家で撮影をした。
私は女の子の形をした死体の役だった。
世間ではそれを人形と呼ぶ。
後輩の棲家は、茶色をベースにしたすごくすっきりした部屋で、そして恐ろしく片付いていた。
ベッドサイドに面白そうな小説が整列していてとても好感がもてた。
私以外に知ってる人はいないんじゃないかと思っていた「がまくんとかえるくん」の本と、なんとぬいぐるみまでが鎮座していたことには、思わず拍手したくなった。
その恐ろしくスタイリッシュな部屋の一画を、ものの数分でアンティークな子供部屋に改造し、撮影は行われた
。
何しろ私は意志がないので、ひたすら一点を見つめて無表情で座っていたのだが、
レース人間になったり、顔から花が咲いた時は、思わず噴出しそうになってしまった。
これ以上書くと当日のお楽しみがなくなってしまうのでこの辺にしておこう。
兎に角私は女の子の形をしたピンク色の物体だった。
世間ではそれをガングと呼ぶ。
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