ファッションファッションファッソン!
文化社会学ッ子にはたまらない。こうばしすぎるエキジビジョン。
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MOMAK◆まずは特別展◆
「
ラグジュアリー:ファッションの欲望」
(c)MOMAK
“17 世紀から現代までのファッションをラグジュアリーという視点で切り取りながら、ラグジュアリーとファッションが時代や社会の中でどのようなかかわりを持ってきたかを考察し、今後の新たな方向を探る”。
エリザベス1世に贈られたという金刺繍のボディスを最初にみて、
中世貴族たちの贅を尽くしたドレスの間を歩いていると、
「そうそう、これがラグジュアリー!」と思うんだけど、
素材へのこだわり、シルエットのこだわりをとことん追求したシャネルやヴィオネやその他もろもろのデザイナーによるお洋服をみると、
「これもラグジュアリー!」ってなって、
さらに進んでギャルソンでおなじみ川久保玲氏のハイセンスな世界をみると、
「そういえばこれも実はラグジュアリー・・・」
と、前々から抱いていた「ラグジュアリー」という言葉に対する自分の概念が疑わしくなった。
一般的に「ラグジュアリー」ってのは、「ゴージャス」とか「洗練」とか「上品」とかいう言葉と従兄弟ぐらいの関係にありそうだよねえ。
一番最後に、「一点もの」≒「ラグジュアリー」という考察を、マルタン・マンジェラのアーティザナルを用いて示されるんだけれど、
おかれる文脈によって、価値が変化する というのは、なるほどねえと思った。
しかしいちばん印象深かったのは、ココ・シャネル語録。
「“贅沢”の反対は、“貧乏”ではなく、
“下品”」
!!!!!!!
間違いなく、ラグジュアリーの申し子じゃ。
◆合わせて読むとより一層グッとくる
→『東京・パリ・ニューヨーク ファッション都市論 』
南谷 えり子 , 井伊 あかり 著/平凡社新書/2004
→鷲田清一さまさまさまの本
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◆次に特別展とリンクした企画展◆
「都築響一 着倒れ方丈記」
都築響一《着倒れ方丈記 アナ スイ》2001/2009 (c)the artist
一途にお気に入りブランドの服をコレクトする「着倒れ人」たちが、四角に切り取られて、プロフィールを添えられて展示される。
何より「着倒れ人」が案外「普通の人」なのが面白かった。
「着倒れ人」は、中毒者、狂愛者、というより、現代のブランド志向が濃くでちゃった人なんじゃないかと思う。
みんな、お気に入りのブランド、あるじゃん。
でもきっと、「着倒れ人」は「ポリシー」を大切にしているから、
みんなが見栄えなくあっちもこっちも色んなブランドを買っちゃうことに、
嫌悪を感じるんだろうなあ。
もしくは周りには無関心で、自分 対 ブランド の世界に生きているのかなあ。
「着倒れ人」が「着倒れ」ちゃったコンテキストを考察するのが、とってもわくわくする作業であることに気づく。
もうね、卒論のテーマにしてしまいたいぐらいのヒットだった。
てゆーか実は都築サンて、OBなの、知らなかったぞよよよ。
合わせて読むとより一層グッとくる
→『豊かさの精神病理』大平 健 著/岩波新書/1990