◆Airan Kang(姜愛蘭)
“古今東西の本をオブジェ化した”Lighting Book(光る本)”を用い時空を越えた崇高な場を創り出す"Digital Book Project"で知られる韓国を代表するアーティスト”
◆室内に足を踏み入れると、薄暗い空間にピカピカ光る本が置いてあって、
背表紙に触れると本から朗読する声が聞こえたり、
本のイメージが大きなスクリーンに映し出されたりする。
「人々の知的好奇心に働きかける作品。」と、オーナーさんが説明してくれた。
本から聞こえてくる「内容」は、
なんだか著者と時空を超えて繋がっている気にさせる。
でも、本の中に入ったようで、入ってなくて、
ただ私は本を見つめるだけだった気もする。
◆私の家には数えきれない本がある。
一時、本で家が埋め尽くされて、レンタルロッカーでも間に合わず、
本で家が占拠されるという限界を迎えたこともあるほどだ。
私は本とともに生活しているくせに、家にある本をすべて読んだことがない。
恐らく一生かかっても、全部の本は読めないし、読まないだろう。
家にある本すらすべて読めない。のに。
この世にはどれだけ本があるのだろう。
本との出会いは、人とのそれに少し、似ている。
暗闇に浮かぶ、自ら光をまとって、自己主張をする本は、世界中の本のなかの「一冊」であり、「世界中の本」であったのではないだろうか。
◆本と人の新しいインタラクション?もしくは「関係」が提示されて、
本の可能性と、本が孕む色んな意味を見直す機会を得られる作品だった。
図書館にあったら素敵!かもにゃ。
「鏡−ユートピアとヘテロピアの間」
@
eN artsPR