念願の大阪で文楽。
◆まず、29日の夜に「天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)」というシェイクスピアの「あらし」を元にした新作をみる。
(適当相関図)
◆かなーーりカルチャーショックだった。
とにかく妖精が面白かった。
メイン妖精の英理彦は一人竜宮城の使いみたいな格好でふわっふわ飛んじゃってたし、他の妖精はなんと頭が鳥だった。
白鳥とペリカンと雀の妖精。
雀の妖精はぜひ私に使えるべきだ。
セットも可愛くて、文楽っていうより、教育テレビでやってる人形劇みたいだったけど、それなりに見応えはあったと思う。
「目前に在りと思う物も、例えば砂上の高楼にて、一切空と悟るべし。 人間本来無一物、眠りに始まり眠りに終る。 ただ一時々々を大切に生きる事こそ肝要ぞ。」 って、ちゃあんとシェイクスピア哲学も入ってたし。
ただみどりの父で嵐を呼ぶ男、阿蘇左衛門藤則(吉田玉女)がビミョーだった。
ほんとに玉女さんだったのか・・・ お疲れだったのか・・・
あと、みどりの頭が可愛くなくていじめかと思った。
◆30日は「生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)」をみた。
〈あらすじ〉 芸州岸戸藩士秋月弓之助の娘深雪は、宇治の蛍狩りで宮城阿曽次郎と互いに恋い染める。
のち駒沢次郎左衛門との縁談を、それが大内家に仕官して改名した阿曽次郎のこととも知らず、拒んで家出し、流浪のすえに盲目となり、かつて宮城が詠じた「朝顔の歌」を歌って門付をする身になる。
そして島田の宿の宿屋戎屋で客に望まれ琴を弾くが、その客こそ宮城で、公用のため名のれずに去る。
あとで恋人と知った深雪は大井川まで追って行くが、川留めで渡れず、悲嘆のあまり入水しようとするところを、戎屋の亭主徳右衛門と秋月の僕関助に救われる。
メロドラマ的なすれ違いの手法が特色で、序段の「蛍狩り」、四段目の「宿屋」「大井川」が歌舞伎でも多く上演される。
なお、人形浄瑠璃では「宿屋」の前半、藪医者萩野祐仙が活躍する「笑い薬」の段がチャリ場として有名。(yahoo!百科)
好きな人とはすれ違いまくり、家出までしたのに会えず、泣きすぎて目が見えなくなってホームレスと罵られ、懐かしい乳母と再会するも、自分を守るために目の前で殺され、世話になった宿屋の主人の生き血を飲まなきゃいけなくなり・・・という、恐ろしい不幸話。
今時のケータイ小説より凄まじい、ズッドーーーン!な展開が逆に可哀想すぎて笑える。
しかも「恋に落ちた二人」が、次会ったらいつの間にか「夫婦」になっててびっくり。
まさかの妄想結婚!
あ、こうゆうのはつっこんじゃいけないのか。
こっちは昨日のテンペストとは打って変わって、真面目な文楽。
何より大好きな蓑助&文雀のツートップとドラマチック島太夫と素敵な住太夫が一つの公演で見られる私にとっては超豪華なラインナップだった。 紋寿さんもお茶目で素敵だった。
そういえば私の周りでこんな話で盛り上がれるのは母だけだということを、最近知った。
あなわびし。