風邪をひいた母の代わりに2月文楽を観てきた。
演目は「敵討襤褸錦」
荒木与次兵衛や姉川新四郎の演じた歌舞伎狂言『非人の仇討』(1664。福井弥五左衛門作)が評判になったので、これを浄瑠璃に仕組んだもの。下の巻「大晏寺堤」が眼目。春藤次郎右衛門は父の仇須藤六郎右衛門と彦坂甚六を尋ねて流浪するうち足が立たなくなり、弟新七とともに大晏寺堤の非人小屋に住む。新七の留守中、高市武右衛門が加村宇田右衛門とともに刀の試し斬りにくるが、次郎右衛門の大望を知り、思い直して帰る。しかし、加村は須藤・彦坂の味方であったので、2人を手引きしてふたたび小屋を襲う。春藤は深傷を負うが、おりから帰ってきた新七と高市の助力により本懐を遂げる。(yahoo!辞書)
適当相関図
住大夫は流石人間国宝だけあって味があったけど、今日は島大夫がすごくよかった。
音の遣い分けに、華麗さがあって、また、役にぴったり当てはまっていた。
愚鈍であるためとても仇討ちに行かせられない、ならば父の冥土の共にと、母が実の子である助太郎を手にかけるシーンでは思わず泣いてしまった。
小さい頃は「一番退屈な芸能」だと思っていた文楽。久々に観てみるとすごく面白かった。
大夫と三味線と人形遣いの三芸が融合して成り立つ人形浄瑠璃。
シンプルだがダイナミックで、それはとても奥が深い。
三位一体と成って人形に“意志”を与える技は、並大抵のものではない。
次は大阪で観たいなあ。
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