雨が降ると街全体がくすむ。
天気だけでだいぶ表情が変わると思う。
今日は車で1時間半ぐらいのところにある郊外のアウトレットでずっと過ごした。
いろんな人に薦められて、持ちきれなくなるほど買い物するんだよと言われて、楽しみで楽しみでしょうがなかったのに、帰りの荷物はポロシャツ1枚にお土産のグロスとイースターチョコだけという質素なものだった。
単に物欲が湧かなかったのだ。
魅力的なものがなかったからかもしれないし、昨日世界の貧しいパーツについての本を読んだからかもしれないし、行きがけに出会った「cold+hungry help me」と書かれたダンボールきれを持った男性の姿が頭をかすめたからかもしれないし、消費システムについての自分なりの整理が出来てないからかもしれないし、なぜだかわからないけれど、あんまり楽しい時間を過ごせなかった。
しかしミッドタウンに帰るまでの車窓が素敵だった。
橋の向こう側に見渡すマンハッタン。
ビルの形をしたレイヤーが幾重にも重なっているかのように見えて、グラフィックやコラージュで使われるビル街そのものでかっこいい。
ハーレムのグラフティ。
ひしめきあう個性的な文字は、どんな葛藤の末に生み出されたものなのか。
「ものよりおもいで」
そうかもしれない。
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