東京駅の八重洲口を出た景色は異質だ。
マンハッタンでいう、ヒルトンなんかが立ち並ぶ、ミッドタウン的な、しかしもっと伝統的にビジネスビジネスした匂いがする。
スーツの住人のための街。
ビジネス街にもかかわらず、ここ八重洲口は、私にとっては丸善の駅であり、予防接種センターの駅であったので、今までは訪れるたび全くのストレンジャーだった。
ただ今日は初めて、スーツに身を包んでいっちょまえに半社会人のふりをして歩いてみたのだ。
東京デビューである。
八重洲から見える景色とそこをあるく人の表情を改めて観察してみたら、日本経済をささえるものたちはなんて格好が良いのだろうかと感心させられた。今日は色について学ぶセミナーを受けたのだが、まさにブルー。知的で信頼できる色の似合う、クール。
靴磨きのおじさんだって、なんだかかっこよかった。
「だんな、おまちどう」
と笑顔をみせた彼の前歯はがたがたで、煙草のヤニがしっかり染み付いていたけれど、きっとあのおじさんほどきれいに靴を研ける人はいなくて、間違いなく日本を支えるひとの足元をささえてる。
それはかなりすごい。
プロフェッショナルには、どんななりをしていたって、なにものにも代えられないすごさがあるのだなぁ。
プロフェッショナルな人の集まるプロフェッショナルな街、東京。
私もいつか小さな“特別”をもってるひとになれますように。
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